食物アレルギーっ子の日々のあれこれ

エピペン携帯マルチ食物アレルギー高校生を持つ、小中高大家庭科講師。教育現場と食アレッ子家庭の架け橋・サポートをしたいと食物アレルギーに関する活動をしている。息子が小さい頃はお米・麦茶を含む15種類以上のアレルゲン有。アレルギー専門医の指示の元、経口免疫療法を実施中。

なごみの杜講演会 『私の特性と作業療法士としての生き方~自己の特性を強みに変えて~』に参加して

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なごみの杜講演会

『私の特性と作業療法士としての生き方~自己の特性を強みに変えて~』に参加して

 

 

 これまで、当事者(発達障害の方ご本人)の方のご講演を伺う機会はあったが、発達障害児をサポートする立場のOTの先生自らが当事者とカミングアウトしている・・・そして講演をするというパターンのご講演を伺う機会はなかったので、この貴重な機会に是非に!と考え参加してきました。

 松本先生は、工学部、そして院まで進み、企業で研究開発に携わるが退職し、OT(作業療法士)の養成学校で学び資格を取得しご自分の経験を踏まえての臨床をされている先生です。著者も多く、日本各地でご講演もされています。

 ご自分の特性から話始めるというご講演で、「早口なんです!!ゆっくり話そうと思えば話せますが考えることが出来なくなります」と。本当にかなりの早口でそのおかげで予定講演時間より早く終了した講演会でした。

 ご自分のことを踏まえての臨床のため、保護者も納得、子どもも共感してもらえてハッピーになれる、松本先生の教え子(発達障害)が松本先生に憧れてOTになっているという、幸せの循環も起きています。

  松本フィルター(松本先生命名の松本先生目線の見方)がかかっているお話のため、より発達障害児・者の気持ちや見え方が支援する側にとっても理解しやすく大変勉強になったことは勿論ですが、沢山のエピソードもご紹介してくださり楽しい講演会でした。

 

 今回の講演会は、なごみの杜代表の土田先生が30分、そして松本先生が90分の枠でお話してくださいました。概要を紹介させてください。

 

<なごみの杜代表 土田玲子先生>

・「みんな適度にあやしい・・・」

 自閉症スペクトラム症の「スペクトラム」=連続体

・横文字圏の国でLDは発見されやすい

・子どもが小さい頃は、みんなAD/HD

 

・未就学の間に気づかれないことも多々ある。保護者に「気づいてもらえてよかった」と声をかけることも

・AD/HD「3つ組の特徴」と言われるが、研究者によると更に7つに細分化できるとのこと

・「叱られる」→大人に対して不信感を持つのは当然である

・×しつけよう「ぼくは動いていると調子がいい、考えることが出来る」というタイプの子もいる

 

・言葉=人とのコミュニケーションツール

 ASD児→言葉の遅れ、構音障害(発音×)、言葉の選択がおかしい

・日本語は、「暗に示す」「口に出さなくてもわかるだろう」「匂わす」という日本の文化が入っている

 →ASDにとっては非常にわかりにくく生きにくさの要因の一つ

・物事を「白」か「黒」かでみるので「叱られる」とこのタイプはダメージが非常に大きい

 ×愛ある叱責は伝わらない

・国単位でDCD学会が始まったのは日本が世界初

 日本は、器用な子が多いからこそ「不器用」が非常に目立つ。当事者の困り感増大に繋がっている。

 

・周りの環境とのミスマッチ=障害

 

 

<よこはま港南地域療育センター 松本政悦先生>

 ・OT(作業療法士)歴 約25年

・発達性協調運動障害のため、小中学生時代はつらかった

 例)リコーダー・・・変な音が出て間違ったことが周囲にわかることがはずかしくて 「笛パク」をしていた。指だけ動かして、空気を入れていなかった。

   逆上がり・・・今でもできない

   球技・・・・・ボールをよけることが出来ずボールがあたる

・スポーツひろば代表西薗一也先生(http://www.sports-hiroba.com/company/

 西薗先生の研修会に参加した松本先生の動画を、松本先生が見て思ったこと

 →走り方は足の動かし方がわからなかった

  飛び箱の練習は手の付き方、足の動きがわからなかった

 決してふざけているわけでもないのに、一見そう見られることがある

・当人にとって、あまりにも難しすぎる運動だとイヤだし嫌いになるのは当然である

・運動音痴の友人3人と集まり、「下手くそ野球」(3人だけの野球ルールで、柔らかいボールをゆっくり投げて打てればOK、守備はなし)をよくしており、非常に楽しかった。

・DCD→大人になったらそう困らない、体育はないし、リコーダーをふく機会もない

・AD/HD→自分も周りも不注意さをわかっている状況なら、気持ちが楽

・ASD→“こだわり”を生かす(隠すと苦しい)

・LD→仕事は苦手なもの以外で探す

・×反復練習で鍛える

 ×将来のため頑張りなさい

 学校を卒業してからの人生の方がず~っと長い

・得意な所で勝負した人→発達障害である有名人

・小さい頃に、これらのことで悩むことはない

・長大岩永竜一郎先生は「プーさんたちの特性」をこう分析している

 プーさん→軽度知的障害

 イーヨ →ASD

 ティガ →AD/HD

 オウル →アスペルガー/多弁タイプ

 ピグレットパニック障害

アメリカの映画「パワーレンジャー

 アスペでもヒーローになれる!!

・「ファインディング ドリー」 ドリーは記憶障害

・「クレヨンしんちゃん」 一家揃ってAD/HD

 

・意識 数%しか意識下にない

・体性感覚、自分の身体からの感覚を受け取ることがうまくいかない

 

さかなクン著書「一魚一会」

 母より「命がとられるわけでなないから、失敗しても大丈夫」と言われた

・「発達のために強みを生かす」穴を埋める努力をしすぎない!!

 

・凸凹がある子どもの全体像、粘土をこねるように丸みを帯びさせたい!!と思うのが周囲の大人。しかし、いくら外側が丸くなっても内側が凸凹しているので無理をしすぎて外が丸くなっても、二次障害を起こす

 

・映画「ワンダー 君は太陽

 全世界で800万部以上を売り上げたR・J・パラシオのベストセラー小説「ワンダー」を、「ウォールフラワー」のスティーブン・チョボウスキー監督・脚本で映画化したヒューマンドラマ。ごく普通の10歳の少年オギーは、生まれつきの障がいにより、人とは違う顔をもっていた。幼い頃からずっと母イザベルと自宅学習をしてきた彼は、小学5年生になって初めて学校へ通うことに。はじめのうちは同級生たちからじろじろ眺められたり避けられたりするオギーだったが、オギーの行動によって同級生たちは少しずつ変わっていく。

 この映画の中で校長先生は、オギー君をいじめた子の保護者に「子どもの特性(顔の奇形)をすぐには変えられない。我々の観る目を変えなくては・・・」

学習障害を持つ子どもたちが先生に宛てたメッセージ

 「イミシン 先生へ 発達障害」で検索するとヒットします

https://www.facebook.com/watch/?v=890927054342859

 

飛騨市長 都竹淳也さんの新聞への投稿

 次男の自閉症

 

・右向きの価値観(知能指数をより上げる)を押し付けている世の中

 

YouTube自閉症のきょうだいがいるということ」

 https://www.huffingtonpost.jp/2016/07/22/autistic_n_11128142.html

 

特に、先生へ宛てた動画、「自閉症のきょうだいがいること」の動画は是非お時間がある時に見て頂きたい!!

多くのことを考えさせられました。

 

松本先生のご講演、途中笑える所があり面白くってもっともっと聞いていたい!!と思う講演でした。

長崎まで来てくださり、大変ありがとうございました。

実りある学びの時間でした。

そして、企画運営してくださったなごみの杜のスタッフの皆様にも御礼申しあげます。

誠にありがとうございました!!